はじめに
一時期、Move-to-Earn(M2E)の代表格として世界を席巻した「STEPN」。しかし、その後のトークン価格の暴落やユーザー数の激減により、「オワコン」という声も聞かれるようになりました。果たしてSTEPNは本当に終わってしまったのでしょうか? 本記事では、STEPNのこれまでの歩みと、現在の状況、そして今後の展望について、最新情報を交えながら深掘りしていきます。
STEPNとは?ムーブ・トゥ・アーンの先駆者
STEPNは、2021年に登場したブロックチェーンゲームで、NFTスニーカーをアプリ内で購入し、実際に歩いたり走ったりすることで暗号資産を稼ぐことができる画期的な仕組みを提供しました。2022年前半にはその手軽さと「稼げる」という魅力から、世界中で爆発的な人気を獲得しました。ゲーム内では、主にGST(Green Satoshi Token)とGMT(Green Metaverse Token)の2種類のトークンが使用されます。GSTはスニーカーの修理やアップグレードといったゲーム内消費に、GMTはガバナンスやステーキングに利用されます。
「オワコン」と言われる理由:栄光と挫折の軌跡
STEPNが「オワコン」と呼ばれるようになった背景には、いくつかの深刻な問題がありました。

問題がありすぎてなんとも…
1. GSTトークン価格の暴落
STEPNの最大の魅力であった「稼げる」という点は、同時に最大の弱点でもありました。2021年12月のローンチ時には約1.85ドルだったGSTは、2022年4月には約9ドルまで急騰しましたが、その後は一転して暴落。2025年5月現在では約0.01ドル前後と、ピーク時の99%以上も価値を失っています。この暴落の主な原因は、新規ユーザーの参入が途絶えたことによるGSTの需要減少と、市場へのトークン供給過多(インフレ)です。さらに、2022年5月の中国ユーザー利用禁止措置や、テラ、FTXといった大手暗号資産プロジェクトの破綻が、市場全体の信頼を揺るがし、GSTの価格下落に拍車をかけました。
2. NFTスニーカーのROIと収益性の激減
ピーク時には1ヶ月以内という驚異的な投資回収期間(ROI)を誇っていたNFTスニーカーですが、GST価格の暴落に伴い、その収益性は壊滅的な打撃を受けました。2023年には、基本的なスニーカーでの1日あたりの実質収益はわずか数セントにまで落ち込み、投資回収には9〜10ヶ月以上かかる状況となりました。これにより、多くのユーザーがSTEPNから離れていきました。
3. ユーザー数の激減
2022年5月には月間300万人以上、日間80万人以上を誇ったアクティブユーザー数も、2024年4月には月間3.5万人未満と、ピーク時の98%以上を失う結果となりました。収益性の激減に加え、類似のMove-to-Earnアプリの登場、季節要因、そしてボットや不正ユーザー対策の強化なども、ユーザー離れに繋がったとされています。
STEPNは本当に終わったのか?復活の兆しと今後の展望
しかし、STEPNが完全に「オワコン」になったかというと、そうとも言い切れません。2025年初頭からは、日別アクティブユーザー数が再び増加傾向にあり、熱心なコミュニティメンバーや、STEPNの再浮上を期待する投資家たちが活動を続けています。運営側も、新たな機能の追加やパートナーシップの締結など、エコシステムの強化に努めています。今後のアップデートやロードマップの進捗によっては、再び注目を集める可能性も秘めていると言えるでしょう。
まとめ
STEPNは、その革新的なコンセプトで一世を風靡しましたが、トークノミクスの課題や市場環境の変化により、厳しい時期を経験しました。しかし、コミュニティの熱意と運営の努力が続く限り、その復活の可能性はゼロではありません。今後のSTEPNの動向に引き続き注目していきましょう。